
高岡山 瑞龍寺
2018年09月17日

現在富山県で唯一の国宝指定を受けている建造物。
高岡山瑞龍寺(ずいりゅうじ)。
いや~、貫禄ありますわここ。
江戸時代の建物なので、1棟1棟がい~い具合に退色して、古木の味が出てて。
細工も細かく。
建築美術としてすごく楽しめる。
建造に当たったのは、加賀藩の御用大工頭であった山上善右衛門嘉広(やまがみぜんえもんよしひろ)。
まあ知る人ぞ知る的な人で。
他にも那谷寺・妙成寺・小松天満宮・気多大社なども手掛けており、まさに加賀藩建築史上におけるレジェンド。
このお寺、元々は金沢にあった法円寺が前身となっており。
その法円寺が高岡に移転、翌年この地に隠居していた加賀藩二代目藩主前田利長が亡くなり、菩提寺とされました。
その際、利長の法名「瑞龍院」に因んで「瑞龍院」と改名、さらに後に現在の「瑞龍寺」になったそうです。
伽藍整備が始まったのは、1646年。
利長の三十三回忌法要に合わせて大工事が始まり、17年後の1663年に完成。
大規模な法堂に仏殿、頑強な山門、さらに周囲をぐるりと取り囲む大回廊を持つ、城郭のような建築が出来上がったのです。
いいですよココ、すごく落ち着きが合って。
空気感が独特。
建築はどれもずっしりと重みがあって。
堅牢重厚。
法堂に備えられた内陣もまた素晴らしく。
金箔装飾の放つ神々しい輝きに、ひたすら合掌、です。
でも、いいトコばかりでもなくて。
ひとつだけちょっと、残念な場所もあるんですわ。
それが「大庫裏」。
「おおぐり」と読めばいいのかな?
「庫裏」ってのはお寺の台所とか、そこに住むお坊さんの住まいの事。
このお寺の場合は台所ですな。
かまどとかの炊事道具がずらっと並んでて。
も~生活感むんむん。
ここまであった荘厳な宗教感が全部ぶっ飛んで、いきなり人間臭い世界に放り込まれたような。
そんな妙な場所なんです。
まあそれはいいんですよ。
お寺にだって人は住んでたわけですから。
問題はそこじゃなくて、この建物の造り。
この大庫裏、なんでも明治初期に取り壊されたのを、昭和になってわざわざ復元したものだそうで。
それゆえか細部への作り込みが不自然に甘く、全体に大雑把。
完全に空間を持て余してて、どうにもなくスカスカした印象。
今まで見てきた伽藍群の高度な建築意匠が、突然ここでザックリ切断されたみたいで。
違和感極まりない。
こんなんなら復元せんで良かったんでないの?と思うんだけど。
ここも回廊の一部として扱われており、今じゃ国の重要文化財だそうです。
重文?
んーーーーーー・・・。
そんなインパクト感じないんだけど・・・。
こんなこと言ってんの、わたしだけですかね???
場所は高岡駅の程近く。
車でのアクセスが楽ですが、駅から徒歩でも15~20分程で着きます。
富山県の誇る国宝瑞龍寺。
見所はいたる所にありますので。
どうかお越しの際には、じっくりと時間をかけてご観覧ください。
台所だけはまあ。
広い心で(笑)。
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